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太陽は、博文館が、1895年(明治28年)1月から1928年(昭和3年)2月まで、計531冊発行した、日本初の総合雑誌。大正デモクラシーの世相に乗り遅れて、廃刊した。 == 歴史 == 日清戦争の勝利が決定的だった1894年12月、博文館は、『日本は世界の大国になったのだから、欧米諸国に負けない総合雑誌を』と『太陽発刊の主意』に述べ〔解題 p. 23 〕、翌月創刊した。 :このとき同社は、既刊の『日本商業雑誌』『日本大家論集』『日本農業雑誌』『日本之法律』『婦女雑誌』を『太陽』誌に、『文芸共進会』『世界文庫』『明治文庫』『逸話文庫』『春夏秋冬』を『文芸倶楽部』誌に、『日本之少年』『幼年雑誌』『学生筆戦場』『少年文学』『幼年玉手箱』を『少年世界』誌に、統合した。 編集人は、時代順に次だった。 :坪谷善四郎(水哉):1895年1月 - 1897年5月 :高山樗牛:1897年6月 - 1902年12月 :鳥谷部銑太郎(春汀):1903年1月 - 1909年1月 :浮田和民:1909年2月 - 1917年6月 :浅田彦一(江村):1917年7月 - 1923年9月 :長谷川誠也(天渓):1923年10月 - 19273月 :平林初之輔:1927年4月 - 1928年2月 月刊または半月刊。寸法は、四六倍判、または菊判、または菊倍判。本文約200ページのほか口絵・別冊もあった。初期の発行部数は、(博文館によれば)、10万部に近かった〔上野隆生:『雑誌「太陽」の一側面について』(2007) 〕。 記事は、政治・経済・社会・軍事・歴史・工業・宗教・芸術・文学・家庭などにわたり、たとえば第1巻の執筆者は、学者の依田学海・加藤弘之・久米邦武・大内青巒・神田乃武・植村正久・石川千代松・三宅雪嶺・横井時敬・天野為之・志賀重昂・坪井正五郎・大西祝・鳥居竜蔵・姉崎正治、政治家の大鳥圭介・谷干城・金子堅太郎・末松謙澄・小村寿太郎・犬養毅・尾崎行雄・牧野伸顕・近衛篤麿、実業家の渋沢栄一・加藤木重教・巌本善治、作家の福地源一郎・饗庭篁村・戸川残花(戸川安宅)・大和田建樹・坪内逍遙・落合直文・森田思軒・幸田露伴・斎藤緑雨・川上眉山・大橋乙羽・巌谷小波・高山樗牛・樋口一葉・佐佐木信綱・島崎藤村・泉鏡花・与謝野鉄幹などと、多彩だった。 高山樗牛と長谷川天渓は、初期から多くの評論・時評を載せた。樗牛を大町桂月が継いだ。ほかに、加藤弘之の発言集『貧叟百話』(1896 - 1898)、鳥谷部春汀の『人物月旦』(1897 - 1909)、秋月天放の『牛門随筆』(1897 - 1923)、石黒忠悳の談話集『况翁閑話』(1898 - 1899)、上田敏の文芸評論『独語と対話』(1914 - 1915)、江見水蔭の回想記『自己中心明治文壇史』(1926 - 1927)などの評論があった。 1912年には、美濃部達吉と上杉慎吉との論戦も行われた。 久米桂一郎の『新印象派の影響』(1911)、小松耕輔の『欧米音楽界の現況』(1923)など、美術・音楽の紹介もした。 初出の文学作品には、時代順に次などがあった。 * 斎藤緑雨:『雨蛙』(1895.5) * 樋口一葉:『ゆく雲』(1897.5) * 泉鏡花:『海城発電』(1896.1) * 斎藤緑雨:『おぼえ帳』(1897.4 - 12) * 二葉亭四迷訳:ツルゲネフの『うき草』(1897.5) * 広津柳浪:『畜生腹』(1897.10) * 国木田独歩:『郊外』(1900.10) * 泉鏡花:『鷺の灯』(1903.9) * 正宗白鳥訳:チェーホフの『不運くらべ』(1904.6) * 永井荷風:『酔美人』(1905.6)、『夜半の酒場』(1906.12)、『旧恨』(1907.1)、『春と秋』(1907.10)、(以上4篇『あめりか物語』に収録) * 田山花袋:『少女病』(1907.5) * 永井荷風:『カルチェー、ラタンの一夜』(1909.1)(『おもかげ』と改題し『ふらんす物語』に収録) * 正宗白鳥:玉突屋(1908.4) * 森鴎外訳:リルケの『家常茶飯』(1909.10) * 久保田万太郎:『雪』(1912.5) * 中村星湖:『女のなか』(1914.1) * 森鴎外:『安井夫人』(1914.4) * 木下杢太郎:『柏屋伝右衛門』(1914.4) * 森鴎外:『栗山大膳』(1914.11) * 正宗白鳥:『入江のほとり』(1915.4) * 有島生馬:『暴君へ』(1916.1) * 吉田絃二郎:『清作の妻』(1916.1) * 有島武郎:『クララの出家』(1917.9) * 宇野浩二:『或る法学士の話』(1920.12) * 宮島資夫:『老火夫』(1921.4) * 宮地嘉六:『工場主の娘』(1921.11) * 宇野浩二:『子を貸し屋』(1923.3、4) * 志賀直哉:『プラトニック・ラヴ』(1926.4) 1923年の関東大震災後、探偵小説の流行を追い、平林初之輔を編集人に立ててプロレタリア的評論・小説を載せたものの、世に後れ、廃刊した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「太陽 (博文館)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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